安全書類(グリーンファイル)一覧【誰が・いつ・誰に出すか早見表】


初心者

ビーバー監督
現場に入る前に、書類をそろえろと言われます。
でも、何を・誰が・いつ・誰に出すのかは、どこにも一覧で書いてありません。元請から渡されるのは空欄の様式だけ。
この記事は、その一覧です。
- 元請から「安全書類を出して」と言われて固まっている人
- 初めて下請として現場に入る会社の担当者
- 新人に書類を教える立場になった人
- 安全書類は書類ごとに「作る人」が違います。ここを間違えると全部やり直しになります
- 様式は、まず元請に確認。指定がなければ全建統一様式が業界標準
- ⚠️ 様式番号はあてになりません。 番号ではなく書類名で話してください
- 提出のタイミングは**「契約したら」「入場前」「持ち込む前」**の3つに分かれます
早見表【誰が・いつ・誰に】 #
まず全体です。詳しくは、このあと1つずつ書きます。
| 書類 | 作る人 | 出す先 | いつまでに |
|---|---|---|---|
| 再下請負通知書 | 二次以降の下請 | 元請 | 契約したら |
| 作業員名簿 | 下請(各社) | 元請 | 入場前 |
| 新規入場者教育の記録 | 下請(教育は元請が実施) | 元請 | 入場当日 |
| 持込機械等使用届 | 持ち込む会社 | 元請 | 持ち込む前 |
| 有資格者一覧 | 下請(各社) | 元請 | 入場前 |
| 工事安全衛生計画書 | 下請(各社) | 元請 | 着手前 |
| 施工体制台帳・施工体系図 | 元請 | 発注者(公共工事) | 下請契約後 |
📌 下請が作るものと、元請が作るものが混ざっています。 ここが混乱のもとです。
📌 いちばん大事なこと:番号で呼ばない #
よそのサイトには「作業員名簿は全建統一様式第5号」と書いてあります。
その番号は、発注者や自治体によって違います。
施工体制台帳・再下請負通知書・施工体系図・作業員名簿をまとめて1つの番号にしている自治体もあります。
❌ 「第5号を出せばいいんですよね?」 ✅ 「作業員名簿を出せばいいんですよね? 様式は御社の指定がありますか?」
元請に確認するときは、必ず書類名で。 様式はたいてい元請が持っています。
1. 再下請負通知書 #
| 作る人 | 二次以降の下請 |
| 出す先 | 元請(一次下請ではありません) |
| いつ | 契約したら |
ここを間違える人が多い #
一次下請は、再下請負通知書を出しません。(再下請していなければ)
二次・三次の下請が、一次を飛ばして元請に直接出します。
| 立場 | 再下請負通知書 |
|---|---|
| 元請 | 作らない(受け取る側) |
| 一次下請 | 再下請していなければ不要 |
| 二次下請 | 必要(元請へ) |
| 三次下請 | 必要(元請へ) |
元請はこれを集めて施工体制台帳を作ります。だから元請は催促してきます。
2. 作業員名簿 #
| 作る人 | 下請(各社が自社の分) |
| 出す先 | 元請 |
| いつ | 入場前 |
社会保険の欄があります。 建設業法の改正で施工体制台帳に社会保険の加入状況を書くことになり、国土交通省のガイドラインは 「実質的に作業員名簿の作成が義務化された」 と書いています。
空欄だと、元請から指導が入ります。 現場に入れないこともあります。
👉 作業員名簿の書き方【社会保険欄と一人親方|記入例・空欄ひな形つき】
3. 新規入場者教育の記録 #
| 作る人 | 下請(教育そのものは元請が実施) |
| 出す先 | 元請 |
| いつ | 入場当日 |
その現場に初めて入る人に、現場のルールを伝えた記録です。
作業員名簿とセットで求められます。 名簿で「誰が来るか」、この記録で「その人に教えたか」を示します。
👉 新規入場者教育の記録、何を書けばいい?【空欄ひな形+記入例つき】
4. 持込機械等使用届 #
| 作る人 | その機械を持ち込む会社 |
| 出す先 | 元請 |
| いつ | 持ち込む前 |
バックホウ、トラック、発電機、電動工具まで。何を持ち込むかを先に届け出ます。
添えるもの #
| 機械の仕様・年式 | |
| 特定自主検査の記録(車両系建設機械など) | 検査標章の写真を求められることも |
| 運転する人の資格 | 技能講習修了証の写し |
⚠️ 当日持ってきて、その場で届けを出すのでは遅いです。 検査記録や資格の写しをそろえる時間が要ります。
5. 有資格者一覧(工事作業所災害防止協議会 兼 有資格者名簿 など) #
| 作る人 | 下請(各社) |
| 出す先 | 元請 |
| いつ | 入場前 |
誰が、何の資格を持っているかの一覧です。
- 車両系建設機械、玉掛け、小型移動式クレーン(技能講習)
- 足場の組立て等作業主任者、地山の掘削作業主任者(作業主任者)
- 職長・安全衛生責任者教育
修了証の写しを添えるのが普通です。現物を現場に持参することも求められます。
6. 工事安全衛生計画書 #
| 作る人 | 下請(各社が自社の作業分) |
| 出す先 | 元請 |
| いつ | 作業に着手する前 |
自社がやる作業について、どんな危険があって、どう防ぐかを書きます。
元請の施工計画書とは別物です。 下請が自社の作業分を書きます。
👉 施工計画書の目次と書き方【土木14項目の一覧+提出前チェックリスト】
7. 施工体制台帳・施工体系図(元請が作る) #
| 作る人 | 元請(発注者から直接請け負った特定建設業者) |
| 出す先 | 公共工事は発注者へ写しを提出 |
| 根拠 | 建設業法第24条の8/公共工事入札契約適正化法第15条 |
作成義務が生じるのは #
| 公共工事 | 下請契約の金額にかかわらず必要 |
| 民間工事 | 下請契約の総額が5,000万円(建築一式は8,000万円)以上 |
この金額は何度か引き上げられています。古い資料には4,000万円(建築一式6,000万円)と書かれているものがあり、国の機関のPDFでも更新されていないものを見かけます。
必ず、最新の建設業法施行令と、発注者の指示で確認してください。
📌 施工体系図は、工事完了後10年間の保管が義務づけられています(営業に関する図書)。
よくある質問 #
Q1. 全部そろえてから出すべきですか? #
いいえ。そろった順に出してください。
まとめて出そうとすると、1つ足りないだけで全部が止まります。元請も、来た順にチェックしたいはずです。
Q2. 様式が元請から来ません。どうすれば? #
催促してください。 遠慮する場面ではありません。
元請が様式を持っていないことは、まずありません。**「御社の指定様式はありますか。無ければ全建統一様式で作ります」**と聞くのが早いです。
Q3. 提出が遅れてしまいました。 #
すぐ元請に連絡してください。 黙っていると、当日に現場へ入れません。
人が入れないと工程が止まります。早く言えば、仮で入れてもらえる場合もあります。 遅れた理由より、いつ出せるかを伝えてください。
Q4. 一人親方ですが、作業員名簿は要りますか? #
要ります。 社会保険の欄の書き方が雇用されている人と違うので、そこは別途まとめています。
Q5. KY活動の記録も安全書類ですか? #
提出書類というより、現場で毎日つける記録です。元請に毎日出す現場もあれば、自社で保管する現場もあります。
記載している様式名・提出先・時期は、筆者が現場で経験した一般的な運用です。元請・発注者・地域によって異なります。
様式と必要書類は、必ず元請および発注者の指示に従ってください。 法令の要件については、所管の労働基準監督署・都道府県の建設業課にご確認ください。
筆者は行政書士でも社会保険労務士でも安全衛生の専門家でもありません。
まとめ #
| 何が一番大事か | 書類ごとに「作る人」が違うこと |
| 様式 | まず元請に確認。 無ければ全建統一様式 |
| 番号 | あてにしない。 書類名で話す |
| 出し方 | そろった順に出す。 まとめようとしない |
| 遅れたら | すぐ言う。 黙っていると現場に入れない |
書類は、覚えるものではなく、調べて出すものです。この表を手元に置いておけば足ります。
書類ごとの書き方 #
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ビーバー監督
1級土木・造園施工管理技士
造園作業員として働きながら独学で2級・1級造園施工管理技士を取得。その後、1級土木施工管理技士も独学で合格。 現在は現役の土木職員として働きながら、資格取得を目指す方に役立つ情報を発信しています。
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