造園施工管理技士 経験記述 環境対策の例文と書き方【騒音・緑地保全・副産物の3パターン】


初心者

ビーバー監督
造園施工管理技士の経験記述「環境対策」は、R6・R7と2年連続で品質管理との複合問題として出題されています。参考書でも例文が少なく「何を書けばいいかわからない」という受験者が多いテーマです。
造園工事の環境対策は、土木とは違う視点が評価されます。 既存樹木・植生の保護、伐採木の再利用、公園来園者への配慮など、造園固有のキーワードを使うことが合格のカギです。
経験記述の書き方の基本(7原則)はこちら → 施工管理技士 経験記述の書き方【第二次検定 合格の7原則とNG例】
なお、書き上げた経験記述を独学のままプロにチェックしてもらいたい方は、独学サポート事務局の経験記述添削サービス(PR)という選択肢もあります。詳しくは記事の最後で紹介しています。
造園の環境対策テーマ 出題傾向 #
直近の出題状況(1級造園) #
| 年度 | 出題内容 |
|---|---|
| R5(1級) | 安全管理 |
| R6(1級) | 品質管理+環境対策(複合) |
| R7(1級) | 品質管理+環境対策(複合) |
R6・R7と連続出題されており、今後も環境対策は必須の準備テーマです。
造園工事で書ける環境対策テーマ #
| カテゴリ | 造園特有の内容 |
|---|---|
| 騒音・振動対策 | チェーンソー・重機の騒音、住宅地・公園隣接工事 |
| 既存植生・樹木の保護 | 工事区域外の樹木根系保護・表土保全・移植保護 |
| 建設副産物の削減 | 伐採木・剪定枝のチップ化再利用、発生土の場内流用 |
| 水質・土壌汚濁防止 | 農薬・除草剤の適正管理、濁水の場外流出防止 |
| 外来種・生態系への配慮 | 特定外来生物の管理・在来種の保護 |
| CO₂削減 | 低燃費機械の採用・アイドリングストップ |
環境対策記述の基本構造 #
① 課題の背景を「近隣環境・法規・現場条件」で説明する →「住宅地に隣接」「工事協定で騒音規制値65dB以下」「保存樹木の根系範囲内」など
② 対策は「工学的手法+マネジメント手法」の2点で書く → 機材・材料の工夫(工学的)+ 体制・確認方法(マネジメント)
③ 結果は「測定値・数値・達成率」で締める →「騒音測定値○dB以下を維持」「伐採木チップ○m³を場内再利用」など
【例文①】近隣騒音・振動対策(住宅地隣接の公園整備工事) #
工事概要 #
- 工事名:○○市 ○○公園 整備工事
- 工期:令和5年10月〜令和6年3月(約6ヶ月)
- 主な工種:造成工(盛土・切土)、植栽工、園路舗装工
- 施工量:造成工V=800m³、高木植栽45本、園路舗装A=600m²
- 立場:現場代理人
技術的課題:住宅地隣接工事における騒音・振動の抑制 #
工事区域の北側と東側が住宅地に隣接しており、バックホウ・クレーン等の重機稼働による騒音・振動が周辺住民の生活環境を悪化させることが課題であった。工事協定により敷地境界での騒音規制値は65dB以下と定められており、基準超過時は工事中止となるリスクがあった。
検討した対策 #
騒音・振動の抑制には「低騒音機械の採用」「作業時間帯の制限」「防音対策の設置」の3点が有効と判断。工事協定の規制値を遵守しながら工程を確保するため、重機稼働時間と配置を工程表に落とし込んで管理することとした。
実施した処置 #
① 低騒音・低振動建設機械の採用:バックホウは「超低騒音型」(騒音基準値96dB以下)、プレート転圧機は「低振動型」を採用し、通常機械と比較して騒音を約5〜8dB低減した。
② 防音パネルの設置:住宅地に面する北・東側の仮囲いに吸音シート(NW-10型相当)を設置し、重機稼働音を敷地境界で約5dB低減した。
③ 作業時間の制限:重機稼働は平日8:00〜17:00に限定し、土曜・祝日は騒音の大きい重機作業を禁止。住民への工事工程表の事前配布で理解を得た。
④ 定期的な騒音測定と記録:重機稼働日は1日2回(午前・午後)、敷地境界3ヶ所で騒音計により測定・記録。規制値65dBを超えた場合は即時作業を中断し、原因を調査する体制とした。
結果 #
全工期を通じて敷地境界での騒音測定値は最大62dB以下を維持し、工事協定の規制値65dBを遵守。近隣住民からのクレームは0件で、工事を完了した。
【例文②】既存植生・保存樹木の保護(公園改修工事) #
工事概要 #
- 工事名:○○公園 リニューアル整備工事
- 工期:令和5年6月〜令和6年1月(約8ヶ月)
- 主な工種:造成改修工、植栽更新工、既存樹木保存工
- 施工量:造成改修A=3,000m²、植栽更新高木20本、保存樹木8本
- 立場:現場代理人
技術的課題:工事区域内の保存樹木(クスノキ)の根系保護 #
公園改修工事において、発注者から「保存指定樹木(クスノキ8本・樹高H=8〜12m)を枯損させないこと」を条件とされた。造成改修工事の掘削・盛土により、保存樹木の根系が損傷・断根するリスクが課題であった。根系は樹冠投影面積の1.5倍以上に広がるとされており、施工区域との重複が懸念された。
検討した対策 #
保存樹木の根系保護には、「根系範囲の事前調査」「立入禁止区域の設定」「施工方法の変更」が必要と判断。工事前に樹木医の調査を実施し、根系マップを作成して施工計画に反映することとした。
実施した処置 #
① 根系調査と保護範囲の設定:工事前に樹木医による根系調査を実施し、各保存樹木の根系分布マップを作成。樹冠外径の1.2倍を「根系保護区域」として設定し、図面に明記した。
② 根系保護区域の立入禁止:根系保護区域全周に高さ1.2m以上の仮設フェンスを設置し、重機・作業員の立入りを禁止。区域内への資材仮置きも禁止とした。
③ 根系近接部の手掘り施工:根系保護区域端から1m以内の掘削は重機を使用せず、スコップによる手掘りを実施。露出した根は切断せず、濡れコモで養生して乾燥を防いだ。
④ 盛土による根系圧迫の防止:保存樹木周囲への盛土は樹冠外径の1.0倍以内に制限。やむを得ず盛土が必要な箇所は、通気性確保のため砕石(φ10〜30mm)を使用した。
⑤ 工事中・工事後の樹勢確認:月1回、樹木医による樹勢診断(葉色・新芽・幹の状態)を実施し、異常が認められた場合は即時工事を中断して対応する体制を整えた。
結果 #
保存樹木8本すべてが工事後も健全な樹勢を維持。工事完了後の樹木医診断でも枯損・衰退は認められず、発注者から「保存樹木の管理が徹底されていた」と高評価を受けた。

初心者

ビーバー監督
【例文③】建設副産物削減(伐採木・剪定枝の再利用) #
工事概要 #
- 工事名:○○市 街路樹更新工事
- 工期:令和5年11月〜令和6年3月(約5ヶ月)
- 主な工種:既存街路樹撤去・伐採、新規高木植栽、歩道整備
- 施工量:既存街路樹伐採120本、高木新植120本
- 立場:現場代理人
技術的課題:伐採木・剪定枝の建設廃棄物削減と再資源化 #
街路樹120本の伐採により、大量の伐採木・剪定枝(推定V=80m³)が発生することが課題であった。全量を廃棄物として場外搬出すると処分費用が増大するとともに、CO₂排出量の増加・埋立地への負荷という環境面の問題もあった。「建設リサイクル法」の趣旨に沿った建設副産物の再資源化が求められた。
検討した対策 #
伐採木・剪定枝の再資源化方法として「ウッドチップへの加工」「発注者の公園・緑地への提供」「堆肥化」の3案を検討。現地でチップ化し公園の敷き材として再利用する案が、輸送コスト・CO₂排出量の両面で最も有効と判断した。
実施した処置 #
① 現地でのチップ化加工:チッパー(木材破砕機)を現地に搬入し、伐採木・剪定枝を直径50mm以下のウッドチップに加工した。現地加工により場外搬出量を大幅に削減。
② チップの場内再利用:加工したウッドチップ約50m³を発注者(市)の承認のもと、公園の樹木根元マルチング材・散策路敷き材として再利用した。マルチング効果(地温保持・乾燥防止・雑草抑制)も同時に得られた。
③ 再利用できない廃棄物の適正分別:幹の太い部分や腐朽材など再利用できないものは「木くず」として分別し、産業廃棄物処理業者に適正委託した。マニフェストを全件作成・保管した。
④ 発生量と再利用率の記録:チップ化量・再利用量・場外搬出量を日報で記録し、最終的な再資源化率を集計して発注者へ報告した。
結果 #
伐採木・剪定枝の**再資源化率80%(再利用50m³/発生総量62m³)**を達成。場外搬出量を当初見込みの62m³から12m³に削減し、廃棄物処分費の縮減とCO₂排出量削減を実現した。発注者から「環境への取り組みが優秀」と評価された。
造園環境対策でよく使う用語・数値 #
| テーマ | 用語・数値 |
|---|---|
| 騒音規制 | 工事協定の基準値(一般的に65dB以下)、低騒音型建設機械 |
| 振動規制 | 振動規制法の規制値(住居地域 60dB以下が目安) |
| 保存樹木の根系 | 根系保護区域=樹冠外径の1.2倍以上 |
| 建設リサイクル法 | 特定建設資材(木材含む)の再資源化義務 |
| 伐採木の再利用 | ウッドチップ・マルチング材・堆肥化 |
| マニフェスト | 産業廃棄物管理票(廃棄物処理法) |
よくあるNG例と修正 #
NG例1:「環境に配慮した」だけで具体性がない #
❌「環境に配慮して施工を行った」
何にどう配慮したか全く伝わりません。
✅「伐採木のうち再資源化可能なものはチップ化し、公園のマルチング材として場内再利用することで廃棄物を削減した」
NG例2:土木の環境対策をそのまま流用する #
❌「コンクリート洗浄水の濁水処理を実施した」
造園工事でコンクリート洗浄水が主要課題になることはほぼありません。造園工事に合った環境課題を選んでください。
NG例3:結果に数値がない #
❌「環境への影響を最小限に抑えることができた」
✅「再資源化率80%を達成し、場外搬出量を当初見込みから62m³削減した」
よくある質問(FAQ) #
Q1. 環境対策のテーマ、どれを選べばいいですか? #
自分が経験した工事で「実際にやった環境対策」を選ぶのが最優先です。架空の対策は記述のリアリティが薄くなります。造園工事であれば「保存樹木の保護」「伐採木の再利用」「住宅地近接での騒音対策」のいずれかは経験があるはずです。
Q2. 品質管理と環境対策の複合問題はどう準備すればいいですか? #
1つの工事から2つのテーマを引き出せる準備をしてください。例えば高木植栽工事なら「品質:活着率確保」+「環境:保存樹木の根系保護・発生土の場内流用」のように同じ工事でセット準備すると効率的です。
Q3. 2級でも環境対策は出題されますか? #
2級でも今後出題される可能性があります。特に1級での連続出題を受けて、2級でも準備しておくことを強く推奨します。
まとめ #
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 3大パターン | 騒音・振動対策/保存樹木の根系保護/伐採木の再資源化 |
| 造園特有のキーワード | 根系保護区域・ウッドチップ・マルチング・樹木医・マニフェスト |
| 記述の型 | 課題(法規・数値)→工学的対策+管理的対策→結果(数値) |
| NG | 土木用語の流用・「配慮した」だけ・結果に数値なし |
造園の環境対策記述は「造園特有の工種・材料・法規」を使うことで差がつきます。本記事の例文を自分の現場に合わせてアレンジして使ってください。
- ▶ 過去問チャレンジ(R4〜R7年度・無料Webクイズ・解説付き) — スマホで今すぐ始められる
- 📄 過去問PDF ダウンロード(H24〜R7 14年分・無料) — 休日に印刷して本番形式で演習
関連記事もあわせてどうぞ #
📚 合格への近道
独学合格者が厳選した参考書ガイド
1級・2級造園 独学合格者が選ぶおすすめ書籍。買って失敗しない1冊が見つかります。
ビーバー監督
1級土木・造園施工管理技士
造園作業員として働きながら独学で2級・1級造園施工管理技士を取得。その後、1級土木施工管理技士も独学で合格。 現在は現役の土木職員として働きながら、資格取得を目指す方に役立つ情報を発信しています。
プロフィール詳細を見る →関連記事
この記事を読んだ方におすすめの記事です(タグ・カテゴリの近さで自動表示)

造園施工管理技士 経験記述 安全管理の例文と書き方【高木剪定・重機・第三者の3パターン】
1級・2級造園施工管理技士 第二次検定の経験記述「安全管理」テーマに特化した例文集。高木剪定の墜落防止/重機・クレーン作業の安全/公園工事での第三者安全対策の3パターンを完全収録。

造園施工管理技士 経験記述 品質管理の例文と書き方【植栽・張芝・石材の3パターン】
1級・2級造園施工管理技士 第二次検定の経験記述「品質管理」テーマに特化した例文集。夏期高木植栽の活着管理/張芝の均一定着管理/自然石積みの出来形管理の3パターンを完全収録。

造園施工管理技士 経験記述の書き方【合格文例3テーマ付き】
1・2級造園施工管理技士 第二次検定の経験記述の書き方を合格者が解説。品質管理・工程管理・安全管理の合格文例付き。植栽工事・公園整備・高木剪定など造園特有の工事に特化した記述例で解説。

土木施工管理技士 経験記述の書き方【合格文例3テーマ付き】
1・2級土木施工管理技士 第二次検定の経験記述の書き方を合格者が解説。品質管理・工程管理・安全管理の合格文例付き。土木工事(コンクリート・舗装・河川護岸)に特化した記述例で採点者が求めるポイントを徹底解説。

土木施工管理技士 経験記述 安全管理の例文と書き方【墜落・重機・第三者の3パターン】
1級・2級土木施工管理技士 第二次検定の経験記述「安全管理」テーマに特化した例文集。墜落・転落防止/重機接触防止/第三者災害防止の3パターンを完全収録。採点者に刺さる書き方のコツも解説。

土木施工管理技士 経験記述 品質管理の例文と書き方【コンクリート・舗装・護岸の3パターン】
1級・2級土木施工管理技士 第二次検定の経験記述「品質管理」テーマに特化した例文集。暑中コンクリート/アスファルト舗装/護岸コンクリートブロックの3パターンを完全収録。採点者が見る数値・結果の書き方を徹底解説。