経験記述はどこで減点されるか【提出前の15項目チェックリスト】


初心者

ビーバー監督
第二次検定(旧実地試験)で最も配点が大きいと言われるのが 経験記述。ここで点を落とすと、他でどれだけ取っても合格は難しい科目です。
この記事では、土木・造園どちらの施工管理技士にも共通する「採点者に伝わる経験記述の書き方」を、7つの原則と典型的なNG例・修正例で解説します。
受験する資格に特化した合格文例(3テーマ分)は、以下の個別記事に用意しています。
- 土木受験の方:土木施工管理技士 経験記述の書き方【合格文例3テーマ付き】
- 造園受験の方:造園施工管理技士 経験記述の書き方【合格文例3テーマ付き】
なお、書き上げた経験記述を独学のままプロにチェックしてもらいたい方は、独学サポート事務局の経験記述添削サービス(PR)という選択肢もあります。詳しくは記事の最後で紹介しています。
二次対策をまとめた「合格パック」で、準備をこれ一つに
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合格パック(1,980円)を見てみる →書けたつもりの答案を、提出前に点検してください #
経験記述は、書くことより「書けたつもり」が怖い試験です。本人には弱点が見えません。何度読み返しても、同じ答案にしか見えないからです。
この記事は「どう書くか」ではなく、書いたあとに減点される場所を潰すための記事です。書き方そのものは、資格別の記事にまとめてあります。
- 土木施工管理技士 経験記述の書き方【合格文例3テーマ付き】
- ※造園はR6から経験記述が出題されていません → 1級造園 第二次検定 記述問題対策
提出前の15項目チェックリスト #
上から順に、自分の答案に当てて○×を付けてください。×が2つ以上あるなら、まだ直す価値があります。
◆ 工事概要(ここで落ちる人がいます)
- □ 工事名が、契約書どおりの正式名称になっている
- □ 発注者名・工事場所・工期が具体的に書けている
- □ 施工量に「一式」を使っていない(m・m²・m³・本数で書く)
- □ 自分の立場(現場代理人・主任技術者・施工管理担当など)が明記されている
- □ その工事の規模と、自分の立場が釣り合っている(新人が大規模工事の現場代理人だと不自然)
◆ 課題(何が問題だったか)
- □ 「なぜそれが課題なのか」の理由が書いてある
- □ 課題が具体的な現場条件から出ている(一般論になっていない)
◆ 検討・対策(何をやったか)
- □ 対策が課題に対応している(別の話にすり替わっていない)
- □ 「留意した」「気をつけた」で終わっていない。やったことが書いてある
- □ 工法・機械・材料の具体名が入っている
◆ 結果(どうなったか)
- □ 結果に数値が入っている(「良好だった」で終わっていない)
- □ どうやって確認したか(試験・測定・検査の方法)が書いてある
◆ 全体
- □ 記述全体で数値が5個以上入っている
- □ 現行の法令用語を使っている(「安全帯」→ 要求性能墜落制止用器具)
- □ 誤字脱字がなく、指定の字数・行数に収まっている
書いた本人は「対策」を一生懸命書きます。でも**採点者が見ているのは「それでどうなったか」**です。
❌「品質管理に留意して施工した」
✅「締固め度90%以上を確認するため、1層ごとに砂置換法で密度試験を実施し、全測点で規格値を満足した」
この差が点数の差です。結果と、確認方法。この2つが入っているか必ず見てください。
5番(規模と立場の釣り合い)と7番(一般論になっていないか)は、書いた本人には判定できません。 自分の現場が普通だと思っているからです。
ここだけは、上司・先輩か、添削サービスに見てもらう価値があります。
経験記述とは?なぜ配点が大きいのか #
第二次検定の経験記述は、自分が実際に担当した工事を題材に、「どんな課題があり、どう検討し、どう対処し、結果どうだったか」 を設問1 + 設問2 の合計で約800〜1,000字記述する問題です。
近年(R6〜R8)は、1つの工事について2つの管理項目を同時に書かせる形式が定着しています(例:R8 1級土木 = 安全管理 + 工程管理/R7 1級土木 = 品質管理 + 環境対策)。
🆕 1級土木の過去10年分の出題テーマ一覧は、こちらにまとめました。 → 【令和8年度】1級土木 経験記述テーマは「安全管理」と「工程管理」だった
出題テーマは、おおむね次の4つから組み合わせて出題されます。
- 品質管理(コンクリート品質、材料管理、精度管理など)
- 工程管理(工期短縮、出来形確保、天候遅延対応など)
- 安全管理(墜落防止、重機接触、第三者災害防止など)
- 環境対策(周辺環境・自然環境保全、建設副産物、CO₂削減等/近年出題増加)
採点基準は公開されていませんが、実務能力を問う問題である以上、「現場を本当に管理していた人が書いた文章か」が見られていると考えるのが自然です。
共通の7原則:採点者に伝わる記述のコツ #
原則1〜2:数値で語り、4段構成を崩さない #
工事名、発注者、工期、工事場所、自分の立場など、数値と固有名詞で具体化 します。
- ❌ 「県内の道路工事で現場代理人を務めた」
- ✅ 「〇〇県△△市 県道◯号線 舗装打換え工事/工期:令和◯年◯月〜令和◯年◯月/現場代理人として従事」
経験記述の骨格は必ず次の流れにします:
- 現場で発生した技術的課題(何が問題だったか)
- 課題に対する検討内容(どんな選択肢を考え、なぜその案を選んだか)
- 実際に実施した処置(いつ・誰が・何を・どうやったか)
- 結果の評価(その処置で課題が解決できたか、数値で示す)
この4つを欠くと、採点者は「結局何をやった現場なのか」が追えません。
原則3〜4:主語を「私は」にし、現場固有の課題を書く #
記述の主語は常に「私は」で書きます。会社名や職長名を主語にすると、「あなた自身が管理していた証拠」が薄くなります。
- ❌ 「当社は品質向上のため受入検査を徹底した」
- ✅ 「私は受入検査担当者を指名し、スランプ・空気量を全車確認する体制を構築した」
「工期が短かった」「品質が悪かった」など汎用的すぎる課題は減点対象です。その現場ならではの条件(気温・地盤・周辺環境・工法の制約など)を絡めると説得力が出ます。
- ❌ 「真夏でコンクリート品質が低下する恐れがあった」
- ✅ 「最高気温35℃超が続く時期の打設となり、スランプロスと収縮ひび割れの発生が懸念された」
原則5〜7:具体的に処置を書き、結果は数値で評価し、解答欄を埋めきる #
処置内容は具体的に書きます。使う材料・数値・回数・頻度まで落とし込みます。
- ❌ 「保温養生を行った」
- ✅ 「打設後5日間は養生マットと散水用ホースで湿潤養生を継続し、表面温度を朝夕計測して記録した」
最後の結果評価は、課題で挙げた指標に対応する数値で締めくくります。
- ❌ 「品質を確保することができた」
- ✅ 「圧縮強度試験で設計基準強度を全ロット上回り、ひび割れ発生も0件で引き渡した」
近年は設問1(4〜8行)+ 設問2(4〜8行)の形式で、合計800〜1,000字程度になります。解答欄の9割以上を埋めることを徹底しましょう。
よくあるNG例と修正例 #
NG例1:課題が抽象的で現場感がない #
工期が厳しかったため、工程管理を徹底した。
修正例
当初工程では降雨日を20%と見込んでいたが、着工後2週間で30%を超え、舗装打設が5日遅延した。このままでは最終引渡し日に間に合わないため、クリティカルパス上の区画Aの先行着手 を検討課題とした。
課題に数値・原因・影響が入ると一気に読ませる文章になります。
NG例2:処置が一般論で終わっている #
安全朝礼を毎日実施し、安全意識の向上を図った。
修正例
毎朝のTBMに加え、重機接触災害ゼロを目標に、重機旋回範囲を赤コーンで明示し、合図者1名を専任配置する運用 に切替えた。加えて、毎週金曜にKY活動の内容を掲示板で共有した。
「何をどう変えたか」を書くと、管理者としての判断が伝わります。
NG例3:結果が主観的な感想になっている #
関係者の協力により、無事に工事を終えることができた。
修正例
上記処置により、工事完了まで重機接触・墜落等の災害0件、ヒヤリハット報告は月平均3件から1件に減少。元請協議会での評価も得た。
経験記述を仕上げる手順 #
ステップ1〜2:工事を1つ決め、3テーマを並行して準備 #
2週間未満の応援では、課題・検討・処置の厚みが出せません。最低でも2週間、できれば1ヶ月以上担当した工事を選びます。
年度によってテーマが変わるため、同じ現場で3テーマを書けるようにしておくのが安全です。1つの工事を深掘りしたほうがブレません。
ステップ3〜4:800字テンプレに落とし込み、他人に読んでもらう #
以下のような配分で書くと、800字で自然に埋まります。
- 工事概要:100字
- 課題:150字
- 検討:200字
- 処置:200字
- 結果:150字
自分で書いた文章は客観視できません。以下のいずれかで必ず添削を受けてください。
- 会社の先輩・上司
- 通信講座(有料だが、実地合格者数が多い講座を選ぶ)
- 独学者は SNS の勉強仲間で相互添削

初心者

ビーバー監督
土木・造園で異なる点 #
共通の骨格は同じですが、工種・用語・評価指標は大きく異なります。受験する資格に合わせた文例・用語の使い方は個別記事を参照してください。
土木受験の方 #
コンクリート工事・基礎工事・土工など土木特有の工種に合わせた合格文例を3テーマ分掲載しています。
造園受験の方 #
植栽工事・公園整備・高木剪定など造園工事に特化した文例を3テーマ分掲載しています。
経験記述は「他人の目を通す」だけで品質が跳ね上がります。独学で不安が残る部分は、添削サービスでピンポイント補強するのがコスパ◎。土木・造園で対応スクールが異なります。
よくある質問(FAQ) #
Q1. 経験記述は丸暗記して臨んでいい? #
暗記自体は問題ありませんが、「暗記した文章を試験でそのまま書ける」ように繰り返し手書き練習することが必須です。本番は時間制限があるため、スムーズに書けない状態では対応できません。
Q2. 担当した工事が少なく、書ける工事がない場合は? #
直接の現場代理人でなくても、「施工管理補助として従事した」工事でも書けます。重要なのは「自分が管理に関わっていた事実」があること。工事概要の「立場」欄に「施工管理補助」と明記すれば問題ありません。
Q3. 複数の工事から書いてもいい? #
工事概要に記載できる工事は1つだけです。品質・工程・安全それぞれで別の工事の話を混ぜると採点者が混乱し、減点リスクがあります。1つの工事で3テーマ全部を書けるよう選ぶ のが鉄則です。
Q4. 環境対策はどう書けばいい? #
R7(1級)の設問2で出題されました。設問2は毎年テーマが変わるため、必ず準備しておきたい1つです。騒音・振動対策(防音シート・低騒音機械の採用)、建設副産物の削減(再生材利用・残土の場外搬出削減)、近隣植生・水環境への配慮などが使いやすいテーマです。
Q5. 設問の字数・行数はどれくらい書けばいい? #
設問欄の9割以上を埋めることを目標にしてください。半分以下しか書いていないと、それだけで不合格リスクが上がります。下書きで800〜1,000字を作り、当日はそれをそのまま書ける状態にしておくことが合格への近道です。
まとめ #
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 位置づけ | 第二次検定で最も配点が大きい科目 |
| 基本骨格 | 課題 → 検討 → 処置 → 結果 の4段構成 |
| 合格のキモ | 数値・固有名詞・主語「私は」の徹底 |
| 準備の鉄則 | 1つの現場で3テーマ(品質・工程・安全)を書けるようにする |
| 仕上げ | 必ず他人に読んでもらい、「伝わるか」を確認する |
| 字数 | 解答欄の9割以上を埋める |
経験記述は「現場を知っている人間の文章か」を見ています。テキストの模範解答を丸写しするのではなく、自分の言葉・自分の現場・自分の数値で書くことが、採点者の心を動かす唯一の方法です。
今日からできるアクション #
- 書く工事を1つ決める:1ヶ月以上担当した工事を選び、工期・工事概要・自分の立場をメモする
- 4段構成で下書きを書く:課題→検討→処置→結果の骨格に自分の経験を当てはめてみる
- 先輩・上司・同僚に読んでもらう:「意味が伝わるか」の視点で確認してもらう
- 手書きで3回書く:試験本番は手書きのため、スムーズに書けるまで練習する
R7 解答解説・解答用紙(note) #
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ビーバー監督
1級土木・造園施工管理技士
造園作業員として働きながら独学で2級・1級造園施工管理技士を取得。その後、1級土木施工管理技士も独学で合格。 現在は現役の土木職員として働きながら、資格取得を目指す方に役立つ情報を発信しています。
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