造園施工管理技士 経験記述 安全管理の例文と書き方【高木剪定・重機・第三者の3パターン】


初心者

ビーバー監督
造園施工管理技士の経験記述「安全管理」は、土木の文章をそのまま流用すると不合格になります。 造園工事特有の危険(高木剪定・チェーンソー・高所作業車・公園来園者への対応)を正確な用語で記述することが合格のカギです。
この記事では、造園特有の安全管理テーマ3パターンの例文と書き方のコツを解説します。
経験記述の書き方の基本(7原則)はこちら → 施工管理技士 経験記述の書き方【第二次検定 合格の7原則とNG例】
なお、書き上げた経験記述を独学のままプロにチェックしてもらいたい方は、独学サポート事務局の経験記述添削サービス(PR)という選択肢もあります。詳しくは記事の最後で紹介しています。
造園の安全管理テーマ 出題傾向 #
造園施工管理技士の安全管理は、以下の工種・場面でよく出題されます。
| 危険の種類 | 代表的な工事状況 |
|---|---|
| 墜落・転落 | 高木剪定、高所作業車での作業、法面植栽 |
| 飛来・落下 | チェーンソー作業、枝打ち、クレーン吊り作業 |
| 重機・機械災害 | 移植工事(クレーン・バックホウ)、芝刈り機 |
| 第三者災害 | 公園整備工事、街路樹剪定(歩行者・車両)、通学路近接 |
| 熱中症 | 夏期の植栽工事・剪定工事(造園特有) |
安全管理記述の基本構造 #
① 造園特有の危険を具体的に示す → 「高さ○m以上の高木剪定」「胸高直径○cmの枝の飛来」など数値で表現
② ハード面+ソフト面の対策をセットで書く → ハード:安全帯・防護ネット・立入禁止柵などの設備的対策 → ソフト:作業主任者・KY活動・合図者配置などの管理的対策
③ 造園・林業の正確な法令用語を使う →「安全帯」ではなく「墜落制止用器具(フルハーネス型)」 →「高所作業」の高さ基準:2m以上で墜落制止用器具が必要 →「伐木等作業主任者」「チェーンソー取扱作業者特別教育」
【例文①】高木剪定工事 墜落・転落防止 #
工事概要 #
- 工事名:○○市 街路樹整備工事(高木剪定)
- 工期:令和5年11月〜令和6年1月(約3ヶ月)
- 主な工種:高木剪定(ケヤキ・イチョウ)、除去枝の処分
- 施工量:高木剪定 120本(樹高H=8.0〜12.0m)
- 立場:現場代理人
技術的課題:高木剪定作業中の墜落・転落防止 #
樹高8.0〜12.0mのケヤキ・イチョウの高木剪定において、作業員が樹上から墜落・転落する危険が課題であった。街路上の狭小な空間での作業で、枯れ枝・湿潤な樹皮により足場が不安定になるリスクが高く、万一の墜落は重篤な災害につながると判断した。
検討した対策 #
高さ2m以上の樹上作業であることから、墜落制止用器具の使用が法令上義務付けられている。加えて、作業員が足場を確保しながら作業できる環境の整備が必要であると検討した。
実施した処置 #
① 墜落制止用器具(フルハーネス型)の全員使用:樹高2m以上での作業に従事する全作業員にフルハーネス型墜落制止用器具を使用させ、作業前に装着確認を実施した。
② 高所作業車の活用:樹高8m以上の剪定には高所作業車(最大作業高さ12m)を配備し、安定した作業床を確保。高所作業車のアウトリガー張り出しと接地状況を毎日点検した。
③ 作業主任者の配置と朝礼KY活動:伐木等の業務に係る特別教育を修了した者を作業主任者に選任し、毎朝のKY活動で「本日の作業の危険ポイント」を全員で確認した。
④ 作業区域の立入禁止:樹木の周囲半径5m以内を立入禁止区域とし、カラーコーン・バリケードテープで明示した。歩道への落下防止のため防護ネットを設置した。
結果 #
上記処置により、工事期間中の墜落・転落災害0件を達成した。作業員からも「フルハーネスで安心して作業できた」との声があり、安全意識の向上につながった。
【例文②】移植工事 重機・クレーン作業の安全管理 #
工事概要 #
- 工事名:○○公園 大径木移植工事
- 工期:令和5年9月〜令和5年12月(約4ヶ月)
- 主な工種:大径木移植(クスノキ)、客土工
- 施工量:高木移植 8本(樹高H=6.0〜8.0m、根鉢径φ1.8〜2.4m)
- 立場:現場代理人
技術的課題:クレーン作業中の重機接触・吊り荷落下防止 #
根鉢径1.8〜2.4m・重量3〜6tの大径木をラフタークレーンで吊り上げ・移植する工程において、吊り荷の落下・振れによる作業員への直撃およびクレーン転倒が課題であった。公園内での作業のため、作業区域外への荷振れが一般来園者に危害を及ぼす恐れもあった。
検討した対策 #
クレーン作業では「玉掛け技能講習修了者の専任配置」「定格荷重の遵守」が法令上の最低基準である。大径木の不定形な根鉢への玉掛け方法を事前に検討し、荷重計算書を作成する必要があると判断した。
実施した処置 #
① 玉掛け技能講習修了者の専任配置:玉掛け作業は技能講習修了者1名を専任で配置し、根鉢径・重量に応じたワイヤーロープの選定と玉掛け方法を事前に作成した作業手順書に沿って実施した。
② クレーン作業半径内の立入禁止:クレーンの作業半径+2m以内を立入禁止区域とし、誘導員2名を配置して来園者・作業員の立入りを管理した。
③ 地盤養生と転倒防止:クレーン設置箇所は鉄板(6mm厚)を敷き均し、アウトリガーの最大張り出しを確認した後に作業を開始した。
④ 合図の統一:オペレーター・玉掛け者・誘導員の3者間で合図の方法(旗・笛・無線)を事前に打合せ、声掛け確認を徹底した。
結果 #
移植8本すべてを無事故で完了。クレーン転倒・吊り荷落下・作業員接触の災害は0件であった。事前の荷重計算と手順書作成が安全作業につながったと評価された。
【例文③】公園整備工事 第三者(来園者)安全対策 #
工事概要 #
- 工事名:○○市 ○○公園 整備工事
- 工期:令和6年4月〜令和6年8月(約5ヶ月)
- 主な工種:植栽工事、園路舗装工事、遊具撤去・新設
- 施工量:高木植栽 45本、園路舗装 800m²、遊具新設 3基
- 立場:現場代理人
技術的課題:供用中の公園での第三者(来園者)安全確保 #
工事期間中も公園の一部が開放されており、子供・高齢者を含む来園者が工事区域に侵入するリスクが課題であった。特に夏休み期間と重なる工程があり、子供が工事区域内に入り込む危険が高いと判断した。
検討した対策 #
第三者災害防止のため、「工事区域と供用区域の明確な分離」「来園者への周知」が必要であると判断。特に視認性の低い夕方の時間帯と、子供が多い午前中に対策を集中させる計画とした。
実施した処置 #
① 強固な仮囲いの設置:工事区域全周にH=1.8m以上の鋼製仮囲いを設置し、出入口には施錠可能な扉を取り付けた。来園者から見えやすい位置に「工事中・立入禁止」の表示板を設置した。
② 来園者への事前告知:工事開始2週間前から公園入口・市ウェブサイト・近隣小学校へ工事期間・危険箇所を告知。作業前後には放送設備で案内した。
③ 誘導員の配置(子供が多い時間帯):午前9〜12時と夏休み期間は出入口に誘導員1名を常時配置し、来園者が工事区域に近付かないよう誘導した。
④ 工事車両の出入り管理:工事車両の出入りは午前8〜9時・午後4〜5時に限定し、来園者が少ない時間帯に集中させた。車両通行時は誘導員が歩行者の安全を確認してから通行させた。
結果 #
工事期間中の来園者への危害0件。近隣住民・来園者からのクレームもなく、発注者(市)から「安全管理が徹底されていた」と高評価を受けた。

初心者

ビーバー監督
造園安全管理でよく使う用語・数値 #
| 項目 | 正しい用語・数値 |
|---|---|
| 高所作業の基準 | 高さ2m以上で墜落制止用器具の使用義務 |
| 墜落制止用器具 | フルハーネス型(旧称:安全帯。2022年〜原則化) |
| 強風による作業中止 | 10分間平均風速10m/s以上 |
| チェーンソー作業の資格 | チェーンソーを用いた伐木等の業務に係る特別教育 |
| 大径木伐採の資格 | 伐木等の業務に係る安全特別教育(胸高直径70cm以上) |
| 高所作業車の資格 | 作業床の高さ10m以上は技能講習、10m未満は特別教育 |
| クレーンの玉掛け | 玉掛け技能講習修了者が実施(吊り上げ荷重1t以上) |
| 作業区域の立入禁止 | カラーコーン・バリケード・誘導員配置 |
よくあるNG例と修正 #
NG例1:土木の用語をそのまま使う #
❌「コンクリート打設箇所の周囲に仮設柵を設置した」
造園工事にコンクリート打設は基本的にありません。造園らしい工種・用語に変えること。
✅「植栽穴掘削箇所の周囲に立入禁止バリケードを設置した」
NG例2:危険の特定が曖昧 #
❌「高所作業があったため、安全に注意した」
高さ・工種・対象者が不明。採点者には何も伝わりません。
✅「樹高10m以上の高木剪定において、作業員がフルハーネス型墜落制止用器具を装着しない状態で樹上に登るリスクがあった」
NG例3:対策が1つしかない #
❌「墜落制止用器具を使用した」
1つの対策だけでは記述量が少なく、部分点しか得られません。ハード面+ソフト面の2点以上を必ず書く。
よくある質問(FAQ) #
Q1. 高木剪定の経験がない場合はどうすればいいですか? #
公園整備や街路樹工事での第三者安全対策や、植栽工事でのクレーン作業安全管理などでも十分に記述できます。自分が経験した工事の中で「安全管理上の課題があった場面」を選んでください。
Q2. 1級と2級で記述の分量は違いますか? #
1級の方が求められる記述量・内容の深さが増します。2級は課題→対策→結果の流れを簡潔に、1級は検討プロセス(なぜその対策を選んだか)まで記述することで高評価を得られます。
Q3. 安全管理と品質管理、どちらを本番用に準備すべきですか? #
両方準備してください。造園施工管理技士の第二次検定では出題テーマが年度によって変わります。安全・品質・工程の3テーマを1つの工事で準備しておくのが鉄則です。
まとめ #
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 3大パターン | 高木剪定(墜落)・重機移植(クレーン)・公園工事(第三者) |
| 必須用語 | 墜落制止用器具(フルハーネス型)・伐木等特別教育・玉掛け技能講習 |
| 記述の型 | 危険特定(数値)→ハード対策+ソフト対策→結果(数値) |
| NG | 土木用語の流用・危険の曖昧表現・対策が1つだけ |
造園の安全管理記述は「造園らしい工種・用語・数値」を入れることで差がつきます。本記事の例文を自分の現場に合わせてアレンジして活用してください。
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ビーバー監督
1級土木・造園施工管理技士
造園作業員として働きながら独学で2級・1級造園施工管理技士を取得。その後、1級土木施工管理技士も独学で合格。 現在は現役の土木職員として働きながら、資格取得を目指す方に役立つ情報を発信しています。
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